「新しい価値」を生み出す力って、キミたちの日常にあるんだ!
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ねえ、みんな。キミたちは毎日、スマートフォンやタブレットを手にしているよね。友達とメッセージを送り合ったり、最新のゲームに夢中になったり、面白い動画を何時間も見て過ごしたり…。こんな風に、デジタルな世界で色々なことをしている時間は、まるで「情報をただ受け取っているだけ」「時間を消費しているだけ」だと感じる人もいるかもしれません。でも、実はそうじゃないんだ。キミたちは、自分だけの特別なアイデアや、それを実際に形にする行動力を使って、この世界に新しい価値を生み出す、すごいパワーをすでに持っているって知っていたかな? 私たちは、その力を「創造する力(そうぞうするちから)」とも呼ぶんだ。
「新しい価値」って聞くと、ちょっと難しそうな言葉に聞こえるかもしれないね。でも、心配はいらないよ。簡単に言うと、それは「今までになかった、新しくて素敵なもの」や「誰かの暮らしをもっと良くしたり、たくさんの人を笑顔にしたり、生活を便利にしたりするもの」を、キミ自身の力で作ることを言うんだ。昔の大人たちは、絵を描いたり、歌を作ったり、何か具体的な「物」を自分の手で作り出すことだけが「創造的(そうぞうてき)」(何かを新しく作り出すこと)だと思っていたかもしれないね。もちろん、それらも素晴らしい創造活動だけど、今の時代は、もっともっと色々な方法で「新しい価値」を生み出すことができるようになったんだよ。デジタル技術が進化したおかげで、表現の幅がぐんと広がったんだ。
例えば、キミたちが普段、何気なく楽しんでいることの中にも、その「新しい価値」を生み出すための大切なヒントがたくさん隠されているんだ。
まず、TikTokやYouTubeでの動画制作について深く考えてみよう。キミが「これって面白い!」「みんなに伝えたい!」と心から感じたことを、スマートフォンやタブレットのカメラを使って撮影するよね。そして、それをただ撮りっぱなしにするのではなく、編集するんだ。動画に合った音楽を選んだり、大切な部分にテロップ(文字情報)を入れたり、見ていて楽しい効果音を加えたりして、自分だけのオリジナルの動画をじっくりと作り上げる。そして、完成した動画をインターネットを通して、世界中のたくさんの人に見てもらう。これは、ただ単に動画をアップしているだけじゃないんだよ。自分の頭の中にある「こんな動画を作りたい!」というアイデアを具体的な形にして、インターネットという大きな舞台を使って、誰かに「感動」や「笑い」、あるいは「役立つ情報」まで届けるという、とても素晴らしい「創造(そうぞう)」(新しく何かを生み出すこと)の行為なんだ。どうすればもっとたくさんの人に見てもらえるだろう? どうすればもっと面白い動画になるだろう?と工夫することは、まさに前回の章で話した「問題発見」(もっと良くするにはどうすればいいか考えること)と、その問題を解決するための「工夫(くふう)」(色々なアイデアを出して試すこと)につながっているんだ。キミたちの作った動画が、誰かの気分を明るくしたり、新しい知識を教えてあげたり、共感を生んだりすることだって、きっとあるはずだよ。そうやって、キミたちの「好き」が、誰かの「嬉しい」に繋がっていくんだね。
次に、マインクラフトでの建築やゲーム作りはどうだろう? マインクラフトのようなゲームの世界では、ブロックを組み合わせることで、自分の想像力を思い切り働かせ、全く新しい世界を自由自在に作り上げることができるよね。たとえば、空高くそびえる壮大な城を一人でコツコツ建ててみたり、未来の技術が詰まったSF都市をデザインしてみたり、あるいは友達と一緒に盛り上がれるオリジナルのミニゲームを開発してみたり。これは、まるでデジタル空間に生きる建築家(けんちくか)やゲームデザイナーのようだね。どんな建物が理想的だろう? どんなルールにすればもっとみんなが楽しめるゲームになるかな?と、何度も試行錯誤(しこうさくご)(色々な方法を試して失敗しながらも、もっと良い解決策を見つけること)を繰り返す中で、キミの頭の中にある漠然(ばくぜん)とした(はっきりしない)イメージを、実際に目に見える形に具現化(ぐげんか)(考えや計画を具体的な形にすること)する力、つまり「アイデアを現実にする力」がどんどん育っていくんだ。デジタルだから、失敗してもすぐにやり直せるのが良いところだね。その過程で、計画を立てる力や、問題を解決する力も自然と身についていくんだよ。
そして、プログラミングに挑戦することも、まさに「新しい価値」を生み出す行為そのものなんだ。「Scratch(スクラッチ)」という、カラフルなブロックを組み合わせるだけでゲームやアニメーションが作れる、とても分かりやすいプログラミングツールを知っているかな? これを使えば、自分で考えたゲームのキャラクターを思い通りに動かしたり、面白い物語を作って友達に見せたりすることができるんだ。プログラミングとは、コンピューターに「こういうことをしてほしい」と命令(めいれい)を伝えることで、自分の思い通りに動かす技術のこと。これは、将来、AI(人工知能)を動かすための「命令」を考えることにもつながる、未来にとって非常に大事な力なんだ。自分のアイデアや願いを「コード」というコンピューターが理解できる言葉で表現することで、これまでになかった新しい「道具」や「遊び」、そして社会の役に立つサービスまで、自分の手で作ることができるようになるんだよ。プログラミングは、キミたちの頭の中にある想像の世界を、現実の世界で動くものに変える魔法のような力なんだ。
絵を描くことや音楽を作ることだって、今ではデジタルツールを使えば、もっと簡単に、もっとたくさんの人に届けられるようになったよね。キミたちが普段当たり前のように楽しんでいるこれらの活動は、決してただの時間つぶしや「遊び」なんかじゃないんだ。実は、これらは「創造性(そうぞうせい)」(新しいものを生み出す力)という、AIが進化する未来を賢く、そして豊かに生き抜くために最も大切になってくる力を、キミたち自身が知らず知らずのうちに、毎日楽しみながら育てている時間なんだよ。この力が、キミたちを未来の「発見者」にするための土台となるんだ。
AIは、膨大(ぼうだい)な(とても多い)データを計算したり、情報を素早く正確に整理したりするのは、本当に得意だ。人間には時間がかかったり、間違えたりすることも、AIは瞬時に完璧にこなしてしまう。でも、「何もない真っ白なところから、全く新しいアイデアをひらめく」ことや、「まだ誰も気づかなかった問題を発見して、それを解決する創造的な方法を考える」のは、今のところ人間の方がずっとずっと得意なんだ。AIはあくまで強力な「道具」であり、それをどう使うか、どんな問題に使うかを決めるのは、いつも人間の役割なんだ。だからこそ、キミたちの「こんなものがあったらもっと便利なのに」「こうなったらもっとみんなが楽しくなるだろうな」という、ふとしたひらめきや、それを実際に形にしようとする力が、AI時代にはこれからますます重要になってくるんだよ。自分の「好き」という気持ちや「面白い」という好奇心を何よりも大切にして、失敗を恐れずにどんどん新しいものを作り出していこう! そして、作ったものをみんなに共有して、フィードバックをもらうことで、さらに磨きをかけていこう。それが、キミたち自身の成長に繋がり、そして未来の社会にとってかけがえのない「新しい価値」になるはずだよ。キミたちの無限の可能性を信じて、一歩踏み出してみよう!

