統合と調和への道

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 私たちが今、心から願うのは、これまで「学び」と「勉強」という、まるで別のものとして捉えられてきた二つの概念が、ついに手を取り合い、一つになることではないでしょうか。理想を言えば、それぞれの間にあった堅苦しい区別が、いつの間にか溶けてなくなる日が来るのが、最も素晴らしい状態だと感じます。もしそうなれば、私たちのあらゆる学習活動が、まるで新鮮な泉が湧き出るように、心の奥底から自然と生まれてくる興味、すなわち「内発的な好奇心」(自分の「知りたい」「やってみたい」という純粋な気持ち)に満たされるでしょう。そして同時に、それが社会や他者の役に立つ目標、つまり「外的な目的」(たとえば、スキルアップや社会貢献といった明確なゴール)と見事に結びつく、本当に意味深く、充実した活動へと変貌を遂げるはずです。

 考えてみてください。もしこの統合が実現すれば、私たちは自分の魂が本当に求めるもの、心惹かれる興味の対象を追いかけながら、同時に、現代社会で生きていく上で不可欠な知識や技術、いわゆる「スキル」を自然と身につけていくことができるのです。これまでの「勉強」は、「ああ、またやらなくちゃいけないことか…」と、どこか義務感や重苦しさを伴うものでした。でも、この新しいパラダイムの中では、それはもはや苦痛なタスクではなく、自分自身を豊かに成長させるための、かけがえのない大切な「道具」へとその役割を変えるでしょう。一方、「学び」は、ただ単に「楽しい遊びの時間」で終わるだけでなく、私たちの内面を深く耕し、自己を成長させ、さらには周囲の社会全体をも潤し、豊かにしていく、そんな崇高な活動へと進化していくに違いありません。この変化は、私たちの学習に対する認識を根底から覆し、より人間らしい、生き生きとした学習体験をもたらすのではないでしょうか。

 この素晴らしい統合された学習体験を実現するためには、避けては通れない道があります。それは、現在の教育の仕組み、すなわち「システム」を、まさに根底から見つめ直し、大胆に変革することにほかなりません。今の学校の授業は、とかく決められた知識を一方的に教え込むことに偏りがちですが、これからは、子どもたちが心の底から興味を持てるようなテーマや、現実の世界に存在する複雑な課題(問題)を、自分たちで発見し、解決していくような、より実践的な学習方法を積極的に取り入れていくべきでしょう。例えば、「プロジェクトベースの学習」(生徒たちが自らテーマを設定し、調査や発表を通じて問題解決に取り組む探求型の学習)は、その有効な手段の一つだと思います。また、テストや評価のあり方も、単に「どれだけの知識を覚えているか」を測るだけの道具であってはいけません。むしろ、生徒一人ひとりが「どうすればもっと深く学べるのか」「自分が何を理解し、何がまだ課題なのか」を自覚し、次のステップへと進むための、建設的な「手助け」となるべきです。先生方の役割も、従来の「知識を教える人」というイメージから、大きく変わっていく必要があります。子どもたちの学びのプロセスを温かく見守り、適切なサポートを与え、困った時には親身になって相談に乗り、そして何よりも、先生自身もまた「一緒に探究する人」、つまり「共同探究者」(生徒たちと共に新たな知識や解決策を探っていくパートナー)として、子どもたちを導いていくことが、これからの教育には不可欠だと考えます。

 しかし、教育の仕組み、つまりシステムだけをどれだけ変えても、それだけでは本当の意味での変革には至りません。私たち一人ひとりの心の持ち方、意識そのものが、大きく変わっていく必要があるのです。まず、学ぶ人自身が、「学び」と「勉強」、その両方に内在する深い価値をきちんと理解し、自分の学習の進め方を、誰かに言われるがままにするのではなく、主体的に(自分の意志と責任で)計画し、実行していく力を身につけることが何よりも大切になってきます。例えば、今日は何を学びたいのか、そのためにどんな勉強が必要なのか、どうすれば効率的に進められるか、といったことを自分で考え、選択する経験が、自律的な学習者を育むのです。そして、この変化を支えるためには、親御さん、学校の先生方、企業のリーダーたち、さらには地域社会全体が、多様な学び方や「学習経路」(一人ひとりの個性やペースに合わせた学習の進み方)を心から認め、受け入れる文化を醸成していく必要があります。失敗は、もはや「駄目なこと」として忌避されるのではなく、「次へのステップ」や「新たな学びのチャンス」として前向きに捉えられるような、寛容な社会の雰囲気こそが求められているのではないでしょうか。

 もちろん、「学び」と「勉強」を一つに統合していく道は、決して平坦なものではありません。そこには多くの試行錯誤や課題が待ち受けていることでしょう。しかし、この道の先には、私たち一人ひとりが、自分の人生に深い満足感を見出し、自己実現を果たすことができる未来が広がっています。そしてそれは、ひいては社会全体が、より豊か(繁栄)で、持続可能な(これから先もずっと、健全に続いていく)発展を遂げるための、かけがえのない「旅」だと言えるでしょう。「学び三態」と「勉強三態」という概念を深く理解し、その本質を見極めた上で、それらをいかに上手に、そしてしなやかに統合していくか。この問いこそが、本当に人間らしく、生き生きとした教育の未来を切り開くための、最も重要な「カギ」となるのです。この壮大な挑戦を通じて、私たちはきっと、より良い社会へと歩みを進めることができると信じています。