インターネット時代:情報革命の本格化

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 1990年代半ば、世界中でインターネット(世界中のコンピューターが繋がる巨大なネットワーク)が急速に広がり始めました。この技術革新は、まさに「情報革命(社会全体における情報のあり方を根本的に変える大きな変化)」の本格的な幕開けを告げるものでした。これにより、情報の伝達方法や人々が情報に触れる機会は、これまでの時代とは比較にならないほど大きく変わったのです。特に、「WWW(ワールド・ワイド・ウェブ:インターネット上で文書や画像などを閲覧できるシステム)」の登場は、誰もが地球の裏側の情報にも瞬時にアクセスできるようになるという、かつて想像もできなかった世界を実現しました。その結果、私たちの周りに存在する情報量は爆発的に増え、その種類も政治、経済、文化、エンターテインメントなど、あらゆる分野にわたって非常に多様になりました。情報の洪水とも言える状況が、この時代から始まったのです。

 このインターネットの普及に大きな役割を果たしたのが、マイクロソフト社が開発したオペレーティングシステム(コンピューターを動かすための基本的なソフトウェア)である「Windows 95」の発売でした。日本では、特に1995年に発売されたWindows 95の登場をきっかけに、それまで一部の専門家や企業でしか使われていなかったインターネットが、一般の家庭にも急速に普及していきました。この新しいOSは、マウス操作で簡単にコンピューターを扱えるようになり、インターネットへの接続も以前よりずっと手軽になったため、多くの人々がインターネットの世界に足を踏み入れるきっかけとなりました。まるで新しい扉が開かれたかのように、多くの家庭で「ピーヒョロヒョロ」という懐かしいモデム(コンピューターと電話回線を繋ぐ装置)の接続音と共に、オンラインの世界が広がっていったのです。

 インターネットの利用状況は、この時期から驚くべき速さで変化していきました。具体的な数字を見てみましょう。

  • 1997年: 日本のインターネットを使う人の数が初めて1000万人を超えました。これは当時の日本人口の約8%にあたる数でしたが、すでに多くの人々がこの新しい技術の恩恵を受け始めていたことを示しています。パソコン通信時代からインターネットへと、少しずつ情報の中心が移り変わっていった時期です。
  • 2010年: 利用者数はついに1億人の大台に達しました。普及率は約78%にまで上昇し、インターネットはもはや特別なものではなく、私たちの日常生活に欠かせないインフラ(社会や生活を支える基盤)として完全に定着しました。この頃には、ブロードバンド回線(高速インターネット回線)も普及し、動画の視聴や大容量データの送受信も一般的になりました。
  • 2020年代: 「スマートフォン(多機能携帯電話)」の普及により、いつでもどこでもインターネットにアクセスできる環境が当たり前になりました。インターネットは文字通り私たちの手のひらにあり、ほとんどすべての人が、日常的にインターネットを利用するようになりました。もはやインターネットのない生活は考えられない、という人も少なくないでしょう。

 インターネットの登場は、まさに「情報の民主化(情報が一部の人に独占されず、多くの人に開かれること)」を加速させました。かつてはテレビ、新聞、ラジオといった「マスメディア(大衆に情報を伝える媒体)」だけが情報を発信する主な存在でしたが、インターネットによって誰もが情報を得るだけでなく、自分自身も「情報発信者」になることができるようになったのです。個人のブログ(日記形式のウェブサイト)やウェブサイト(インターネット上の情報のまとまり)を通じて、誰もが自分の意見や情報を世界に広めることが可能になりました。これは、一方的に情報を受け取るだけだった時代とは根本的に異なる、画期的な情報環境の実現でした。

 しかし、この劇的な変化は、良い面ばかりをもたらしたわけではありません。情報へのアクセスが容易になった一方で、「情報の氾濫(情報量が多すぎて、処理しきれない状態)」という新たな課題も生まれました。インターネット上には、正確な情報もあれば、誤った情報、あるいは意図的に作られたデマも混在するようになりました。その結果、人々がそれぞれ異なる情報源から、異なる「事実」を受け取るという状況も発生し始めました。どの情報を信じれば良いのか、何が真実なのかを見極めることが、このインターネット時代における重要なスキル(能力)となったのです。情報を受け取る側のリテラシー(情報を適切に理解し、活用する能力)が、これまで以上に問われる時代でもあります。