ストイシズムの実践例③小さなことに感謝する🙏
Views: 0
毎日、当たり前だと思っていることに感謝の気持ちを持つようにします。例えば、美味しいご飯を食べられること、友達と楽しく話せること、健康でいられることなどに感謝することで、心が豊かになります。
ストイシズムでは、自分の手の届かないことではなく、今この瞬間に自分が持っているものに注目することを教えています。朝起きたとき「今日も目覚められたこと」に感謝し、仕事に行く途中で「歩ける体があること」に感謝し、夜寝る前に「一日を無事に過ごせたこと」に感謝するなど、日常の中で小さな感謝を見つける習慣を作りましょう。
古代ローマの哲学者セネカは「幸福になる最も確実な方法は、すでに持っているものを失って初めて価値がわかるのを待つのではなく、今持っているものに感謝することだ」と述べています。特に困難な状況に直面したときこそ、まだ自分に残されている良いものに目を向け、感謝することが大切です。これによって、不満や不安に支配されることなく、より平和な心で日々を過ごすことができるようになります。
感謝の気持ちを育むための具体的な方法として、「感謝日記」をつけることがおすすめです。毎日寝る前に、その日あった3つの良いことを書き留めるだけでも、心の持ち方が大きく変わります。最初は難しく感じるかもしれませんが、続けることで「良いこと探し」の能力が高まり、日常の中で感謝すべき瞬間に気づきやすくなります。
また、ストイシズムの「消極的視覚化」という練習も効果的です。これは、今持っているものを一時的に失ったと想像する練習です。例えば、家族の健康、住む家、仕事など、普段当たり前だと思っているものがなくなったらどう感じるかを想像することで、それらの価値を再認識し、深い感謝の気持ちを育むことができます。エピクテトスは「欲しいものを手に入れることではなく、欲しいものを欲しいと思わないことで幸せになる」と教えていますが、これは持っているものに満足し、感謝することの重要性を表しています。
さらに、感謝の気持ちを言葉や行動で表現することも大切です。「ありがとう」と声に出して言うこと、感謝の手紙を書くこと、誰かに親切にすることで感謝を示すことなど、感謝を外に表すことで、その感情がより強固になります。マルクス・アウレリウスは『自省録』の中で、人生における様々な出会いや経験に対する感謝の気持ちを詳細に記していますが、これも感謝を表現する一つの形です。
感謝の習慣は時間をかけて育てるものです。最初は意識的に行う必要がありますが、やがて自然と感謝の気持ちを感じられるようになります。小さな幸せに気づき、それを大切にする心を育てることで、ストイシズムが目指す「心の平静」に一歩近づくことができるでしょう。どんな状況でも感謝できるものを見つける力は、人生の様々な困難を乗り越える上で大きな支えとなります。